梅干しは日本に古来から伝わる伝統食。
さまざまな薬効があり世界に誇れるスーパーフードです。
「朝の梅干しは一日の難を逃れる」「梅干しは三毒を消す」(※)という昔からの格言があるように梅干しの効果は底しれません。けれども、パン食が増えた現代では梅干しから縁遠い食生活になってしまいした。
お弁当やレストランで梅干しがお目見えしても、保存料や着色料の添加物、砂糖やはちみつなどの甘味料、かつお節などの混ざりった梅干しが多いです。
「本物の梅干し」の効能を頂く機会が本当に少なくなってきました。
目次
伝統食、梅干しパワーで免疫力アップ!
陰陽五行的に梅干しを見てみましょう。もともと未熟な青梅は、生で食べると中毒を起こすほどの毒をもっています(極陰)。
梅干しの生の実に塩と重し、時間、太陽、という陽性の力で陰性の生の実を陽性化し中庸させます。
長時間保存することでさらに陽性になり、効果もあがります。お薦めは3年漬けた梅干し。
梅干しは大変調和のとれた食べ物。(自律神経を中心に)体のバランスを整えてくれます。
梅干しの効果
・疲労回復:
クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など梅干しには8種類の有機酸が含まれていると言われています。梅干しには良質な有機酸が豊富に含まれていて、これらは摂取すると生きるために必要なエネルギーを作り出してくれます。また、梅干は効率的に脂肪や乳酸を分解しエネルギーに変換します(※クエン酸回路)。
クエン酸などの酸はこの回路を上手にまわし、体内にたまった疲労物質を排出してくれます。
・血液浄化作用:
有機酸が新陳代謝を上げ、血流を良くし、疲労物質を体外に排出。カルシウムの吸収をよくしたり、血液の酸化を中和し、血液をサラサラにしてくれます。また疲労回復にも効果があります。
・消化吸収:
塩分は胃散の働きを助け、食欲不振の改善、消化に役立ちます。とくに余分な炭水化物を体外に排出してくれる働きがあります。
・殺菌力:
梅の酸には動物性蛋白質や毒を中和してくれ、食中毒を予防する効果があります。外食が続いたり、海外旅行での食あたり・食中毒に役立ちます。動脈硬化や糖尿病にも効果があると医学的にも解明されているようです。
日本のスーパーフード、梅干しをつけてみよう!
梅干しづくりというと、手間なイメージがありますが、実はとっても簡単。安心できる素材で手作りした梅干しの味は格別です。まずは作りやすい量、3kgほどからはじめてみるのもいいですね。
5,6月になると青梅が出回ります。そろそろ準備です。6月中旬をすぎると赤じそがでまわるので、本漬けに入ります。
<用意するもの>
・梅干し(できたら自然栽培。青梅を追熟させるか、すでに熟したもの)・・・3kg
・塩・・・海水を窯焚き、天日させた天然塩(梅の重さの20%)
・梅干しをつけるかめ・瓶(9L)
・焼酎・・・35度のもの。霧吹きに入れる。道具を消毒するため。
・重石(またはビニールに水をいれヒモでしばって作る)
・ペーパータオル
・梅干しを天日する用のざる
<本漬け準備>
・赤じそ・・・400~500g(葉だけの分量)
・塩・・・・・100g(赤じその20%)
※すでに赤じそと塩をもんであるものでもOK
<下ごしらえ>
1.黄色に熟した梅(青い場合は2,3日追熟させる)のヘタをつまようじを使って取り除く。
※自然栽培でない場合は、漬ける前に1時間ほど水につけ水けをふきとる。
2.焼酎で消毒したかめ・瓶にひとにぎりの塩をひきつめる。
3.梅を引きつめる。焼酎で梅を消毒。
4.2→3を繰り返し、最後に重石も消毒し、誇りが入らないように大きな紙で覆う。
<本漬け>
1.赤じそをよくあらって水けをとる
2.塩でしっかりもんで、灰汁が出てきたら絞る。(何回か繰り返す)
3.白梅酢があがってきた梅干しの上に均一において、重石をまた置き土用干しまで冷暗所で保存。
<土用干し>
7月19、20日~8月6,7日の頃、梅雨が明けて晴天が続く土用に3日間、梅干し、赤じそ、上がってきた赤梅酢も同時に土用干しをする。たまにころころひっくり返し、かめ・瓶にいれて保存する。赤じそは細かくして、ゆかりとしてふりかけなどに使います。手作りのゆかりは絶品です。
まとめ
太陽と時間の傑作、梅干し。日本文化の智慧の塊です。この素晴らしい食文化を、是非次世代にもつないでいきましょう!
※三毒:食毒(食べ物の中にある毒)、血毒(血の中にある毒)、水毒(体内にある毒)3つの毒を消す作用があると言われている。
※クエン酸サイクルを発見した生化学者クレブス博士は、この研究によって、1953年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。