マクロビ的肝臓のお手当

目次

肝臓って?

肝腎(心)要(かんじんかなめ)、というくらい、肝臓は私たちの体に重要な臓器の一つです。その機能は現在分かっているだけでも200以上の仕事をしています。物言わぬ「沈黙の臓器」と言われていて、何か異変があったとしてもなかなか症状としては現れません。私たちが寝ている間も一生懸命にもくもくと肝臓は働いています。いったいどんな働きをしているのでしょうか?

3つの肝臓の働き

1.私たちの体に必要な糖質、たんぱく質、脂質の合成

2.有害物質の解毒・分解、

3.食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌

私たちが食べたものはまず胃や腸で吸収され、その後肝臓へ送られます。肝臓でいろいろな成分に分解されたり、合成されたりした後、肝静脈からでて、心臓を経由して全身の必要な場所に配られていきます。

例えば、食事でとった糖質は、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、夜間にエネルギー源として血中に放出されます。全身の細胞で利用されて不要になった老廃物は、今度は肝臓へ戻され、分解されます。その一部の成分は胆汁として排泄されます。その老廃物の一部は再び吸収されて肝臓で再利用され、体の中のいわば「化学工場」のような働きをしています。またビタミンをはじめさまざまな栄養を貯蔵する働きもあります。このように肝臓は栄養素の生産、リサイクルの中心となる大切な役割を担っています。

肝臓を助けるマクロビオティックの食事

肝臓の機能が低下すると黄疸などの症状が現れます。肝臓は甘いもの、油もの、冷たいもの、食べ過ぎが苦手です。肝機能が弱っている方は、これらを減らしてみましょう。物を食べると必ず活性酸素が発生し、肝細胞にもダメージをおこします。そのため肝機能をあげるには「断食」が一番です。しかしあまり無理に断食をしてストレスになってしまうと、今度は、ストレス自体が肝臓に悪影響を及ぼします。まずは少食にして、甘いもの、油ものを減らしてみましょう。そしてマクロビオティックレシピでつくったケーキやクッキーであっても、しばらく減らす、もしくはお休みしましょう。

肝機能をあげるには、まずは滞った血液を流す必要があります。食事のポイントは、酸味と適度な苦みをもつものを意識的にとることです。梅酢を使った料理、いい苦味をもつふきのとうやよもぎなどの春野菜、野草をお浸しにしていただきましょう。苦味は胆汁の出をよくし脂肪代謝を上げ、血液を浄化してくれます。

緑黄色野菜も大切です。自律神経系のトラブル、目の疲れ、肩こりや五十肩、リューマチといったトラブルも解消してくれます。

その他、キノコは肝臓の脂肪を溶かし、ひじきなどの海藻類は肝臓と胆のうを掃除してくれます。豆腐は肝臓を柔らかくしてくれます。腸内を調える発酵食品も大切です。腸の汚れは血液を汚し、結果的に、肝臓に負担がかかってきます。腸と肝臓は密接に繋がっています。腸から綺麗にしていくこともお忘れなく!

そしてもう一つ忘れてはならないのは、汗を出すこと。発汗は人体の4大排出の一つです。(4大排出=排便・排尿・発汗・呼吸)。体温が下がると肝臓機能も低下し、排出がうまくいかなくなります。その結果、血行が悪くなり、血液がドロドロし始めます。それがシミやくすみ、花粉症、アレルギーといった形で体から出てくるのです。汚れた血液を綺麗にするためにも、運動で汗を流して体温をあげること、食べ物でドロドロ血液を流してあげることが大切です。

最後に、一番大切なのことはストレスをためないこと。怒りや苛立ち、悲しみといったストレス感情を持つだけで一瞬にして血液がドロドロになるという研究報告があります。生活していく中でストレスをなくすことは難しいですが、ストレスを発散する方法を見つけることはできます。体のメンテナンス、心のメンテナンス、季節ごとに、月ごとに、できれば毎日の終わりにしてあげると、潤いある柔軟で真のしっかりした心と体ができてきますね。

まとめ

自分でできる肝臓のメンテナンスのまとめです。

1、デトックス食材(苦みのある野菜、緑黄色野菜)を利用する

2、少食、時々プチ断食

3、適度な運動で体温をあげる

4、ストレスのケア

毎日のケアは将来を大きく変えます。今日からでもできる体と心のメンテナンス、やってみませんか?

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