夏は、トマトやキュウリが美味しい季節ですね。無農薬無肥料で丹精込めて育てられたトマトは、自然な甘さと適度な酸っぱさが格別です。トマトは見るもの?食べるもの?トマトの故郷は、南米ペルーのアンデス高原の太平洋側の地域、という説がもっとも有力です。熱い太陽、カラリとした気候、昼夜の温度差、そして水はけのよい土、こういった土地でトマトは生まれました。形は現在のミニトマトのような小さいものだったようです。
その後、16世紀前後、メキシコに住むアステカ族がトマトを食用として作り始めたようです。ヨーロッパに渡ったトマトは毒リンゴpoison appleと呼ばれ、その当時は観賞用として扱われていました。食用として初めに食べ始めたのはイタリア人でした。貧困を逃れるためでした。その後、改良を重ねられ200年かけて今の形になったということです。今世界では8000種、日本だけでも120種類の品種があります。日本では江戸時代、17世紀に入ってきましたが「唐柿」とよばれ、やはりまだ観賞用でした。食用とて用いられたのは明治になってから。ちなみにトマトはアメリカで初めて遺伝子組み換えの認可を受けた食べ物です。
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これを知ると毎日食べたくなるトマトの効能
真っ赤なトマトには栄養がいっぱい詰まっています。トマトの効能を科学的な観点から見てみましょう。トマトの研究の中で一番注目されているのは生活習慣病の予防や老化抑制に効果のあるリコピンとβ-カロテンです。ある研究では、リコピンの血中濃度が高いと、脳卒中のリスクが55%、脳梗塞のリスクが59%低下する、という報告がありました。 これはリコピンのもつ強い抗酸化作用によるものです。その含有量はビタミンEの100倍ともいわれています。活性酸をと取り除くリコピンの作用は疲労回復にも効果が期待されます。
その他、美肌効果や風邪予防に役立つビタミンC、老化を抑制するビタミンE、塩分の排出を助けるカリウム、腸内環境を整える食物繊維などをバランス良く含み、栄養価が高くしかもカロリーが低いのでダイエットにも効果が高く期待できそうです。
マクロビオティックでは常食しない野菜の一つ
栄養価が高く、低カロリー、いいことばかりのトマトですが、実はマクロビオティックでは常食を勧めていません。トマトはナス科に属すもので、陰性がとても強く、細胞を緩め体を冷やすためです。体温が低くなると内臓の活動が落ちます。すると免疫力が低下し、菌やウィルスが侵入しやすい体になってしまします。
トマトは薬として使われることがあります。東洋医学の考え方の一つ、似類補類の法則(似た形のものは似たものを補う)から見ると、トマトを輪切りにすると何個も部屋がありその中に種がつまった構造をしています。人間の臓器でいうと心臓にそっくりです。実際トマトは心臓を中心に血管系に効果があります。固まった血液を溶かします。動脈硬化や高血圧の方にお勧めです。その他、トマトは動物性食品の中和食品としても使われます。特に豚肉や鶏肉、甲殻類の陽性さを中和するのに役立ちます。
それでもトマトを楽しみたい!
お勧めしない食材でもマクロビオティックでは上手に中和しながらハレの日に楽しむことができます。トマトを食べるときのポイントは、必ず火を通すこと。そしてトマトの陰性を味噌や醤油の陽性の力で中庸に近づけます。食べ過ぎると、冷え、むくみ、精神的な落ち込みがでてきます。体調を見ながら楽しんでください。呼吸器や皮膚が弱い人はトマトの使い方に注意しましょう。
トマトを使った便利なレシピです。
あると便利なトマトピューレ
<材料>
トマト(中5~6個)
味噌(大2)
甘酒(100g~)
玉ねぎ(中一個)
<作り方>
玉ねぎをウォーターソテーし、しなやかになったら、角切りにしたトマト、味噌、甘酒をいれくつく煮込む。味噌の量、甘酒の量はお好みで調節して下さい。最後に自然塩をいれて味を調えてもOKです。ボリュームを出したいときは、オリーブオイルで玉ねぎを炒めてから煮込んだり、さらにみじん切りのにんにくを加えてもオッケーです。トマトピューレがあると、パスタやピザ、ソースとしても使えとても便利です。冷蔵庫で1週間ほど保存可能です。
まとめ
トマトの鮮やかな赤色、みずみずしい食感、甘酸っぱい味、見かけも味も魅力満載のトマト。陰性の強さからのマイナス面がありますが、トマトの陰性さを消してくれる、味噌や醤油、火という陽性さを活用し、上手に食卓に取り入れましょう!