マクロビオティックでは自然の甘みを大切にします。精製糖は血糖値を急激にあげ肝臓に負担をかけるためお勧めしていません。自然の甘み、その代表が甘酒です。甘みだけを抽出した水あめやメープルよりも、甘酒は「一物全体」に即した理想の甘味料です。
※一物全体とは、食べ物を丸ごといただく、というマクロビオティックの三大原則の一つです。精白したもの、部分だけでなく皮や根っこも含めて食べ物全体を頂くことです。全体に含まれるミネラルやビタミンの絶妙なバランス、命の力を無駄なく取り入れよう、という考え方です。
精製糖に慣れていると、初めは甘さが足りない感じがあります。でも、甘酒には、実は白砂糖の9割の甘さがあります。単糖は直接舌にくる甘さですが、多糖はゆるやかでやさしい甘さで、同じ甘さでも食べた時の違いがあるんですね。どろっとした触感のため、始めはなれない食材ですが、慣れてくると基礎調味料の次になくてはならないものになってきます。
パンケーキや蒸しパンにいれるとフワフワ感が増します。夏はドレッシングのベースとして、梅酢や白みそ、練りごまなどと一緒に混ぜると、さわやかな味わいに仕上がります。醤油と混ぜてなべで火を通しソースとしても使えます。そしてもちろん、そのままでも、冷えた甘酒を水で割って、レモンや梅酢、生姜などを加えドリンクとして飲むこともできます。果物を入れてブレンダーにかけ、豆乳と混ぜて冷凍庫にいれるとアイスクリームとしても楽しめます。
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甘酒の力をいただく
甘酒は「飲む点滴」と言われるほどビタミン、ミネラル、酵素、食物繊維が豊富で、体内の吸収率はなんと9割!体力回復には最高の食べ物です。麹菌は、人間に必要な酵素を100種類以上も含んでいるため、腸を活性化してくれます。
代表的な酵素は、 アミラーゼ(デンプンをブドウ糖に分解する)、プロテアーゼ(タンパク質をアミノ酸に分解する)、リパーゼ(脂肪を脂肪酸に分解する)、セルラーゼ(植物の繊維をオリゴ糖に分解)などです。
また甘酒には、筋肉や血管・脳などの細胞を作るうえで不可欠な必須アミノ酸9種類がすべて含まれています。私たちの体は酵素によって健康が維持されています。たくさんの酵素が入った甘酒は日本が産みだしたスーパーフードと言えるのではないでしょうか。
なお、市販品はパックされるときに熱処理されているものが多いので、効果がずいぶん落ちています。ちょっと手間をかけて手作り甘酒に挑戦してみましょう。作り方はとても簡単です。手作りの甘酒は市販品とは比べ物にならないほど美味しいです。お試しください。(気になる方はメーカーに問い合わせてみると安心して購入できますね。)
甘酒の作り方
温度調整さえすれば、とても簡単です。麹とお粥を同量に混ぜ50度で8~10時間ほど置きます。夜に魔法瓶に入れておくと次の朝には出来上がっています。あとは冷蔵庫に入れ発酵を止めて保存します。
甘酒に使う麹の種類
麹の種類には白米麹、玄米麹があります。白米麹ははっきりとした強い甘みがあります。一方、玄米麹は濃厚さと深みある味が特徴です。料理によって変えてみるのもいいですね。そして白米麹、玄米麹、それぞれに生麹と乾燥麹のタイプがあります。生麹の特徴はデンプンを糖にかえる力が強く、水に戻すことなくそのまま使える点が利点です。ただ、日持ちしないのと、10度以下での保存が必要です。一方、乾燥麹は何か月も常温で保存ができるので便利ですが、生麹に比べると麹菌の力は少し弱めです。また使う時に一度水で戻す必要があります。
まとめ
麹はメーカーによって風味がずいぶん違います。麹の世界もなかなか奥が深いです。いろいろと試してみて「家庭の味」を作ってみるのもいいですね。
- アミラーゼ:デンプンをブドウ糖に分解する
- プロテアーゼ:タンパク質をアミノ酸に分解する
- リパーゼ:脂肪を脂肪酸に分解する
- セルラーゼ:植物の繊維をオリゴ糖に分解