マクロビでは動物性のたんぱく質を一生で摂る量はお母さんのお腹の中でと生まれてお乳を飲む時期で摂り終えたと考えます。今回は動物性たんぱく質のなかでも特に問題がある牛や豚の肉について述べていきます。
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なぜマクロビではお肉を食べないか
マクロビで牛肉など大きい動物の肉は食べないとしているのは、その生態系が人間と似ているので「共食いの思想」に通じる、ということです。またマクロビでは自分より大きな動物は食べない、とも言っています。本来地産地消が基本ですので、自分が採れる範囲のものを食べることは、食べ物が腐ったり、傷んだりすことなく手に入ること、すなわち、防腐剤などの添加物も必要なくなるということです。魚でもマクロビは大きな魚は避けるように言っています。特にマグロなどの大きい魚は食物連鎖の上の方に位置するので、汚染された物がより濃くでるため、食べないほうが良いとされています。
お肉を食べないことは地球も救う
また地球の環境の側面からも、肉を食べることは地球温暖化を促進し、世界の絶対的貧困の人々をさらに貧困へと押しやる原因にもなっています。今世界の人口は約75億人、その食を満たすために飼われている家畜が700億頭、そのうち牛が15億頭います。地球温暖化の原因である二酸化酸素よりも牛がするゲップから出る亜酸化窒素のほうが深刻だと言われています。さらに日本では日本人が1年間に消費する米の1.5倍の穀物を輸入していますが、そのほとんどが家畜の餌として使われるのです。現在、世界では13億もの人が食糧難に苦しみ、そのうち8億4000人が栄養失調で、年間900万人が餓死していると言われています。それとは対照的に、先進国では5人に1人が太りすぎ、世界の約10億が太りすぎていて、さらに臨床的には約30%の人が肥満であると言われています。従って、先進国が動物性の食品の摂取量を減らすことによって、世界の絶対的貧困層に穀物がいきわたれば、世界は貧困や餓死する人がいなくなるといわれています。そしてそうなれば、戦争も減り、平和へと繋がっていくでしょう。
食はすべてにつながる
このような現実があるということ、食と地球環境が密接につながっているということを知った上で、ひとりひとりが食べることについて意識を持つことが大切です。動物性食品を食べるなと言っているのではなく、食べ物を食べる時、料理をする時にこのような現実を知っていると知らないのでは、その心構えが違ってくるのではないでしょうか。また動物性食品のとり過ぎは、健康にも悪影響を与えます。世の中では健康に関する情報があふれかえり、医療も高度化しているにもかかわらず、食の欧米化とともに昔では考えられないような重い病気が増えているのも事実です。わたしたちがなるべく国産のものを選び、料理をしていけば、少しずづ環境はよくなっていきます。また精白していないもの、植物性のものを多く摂るようにしていけば、体の調子も徐々によくなっていきます。
わたしたちが伝統的な食事をし、環境と体に無理のない、質の良い食事を選択していけば、自分のためだけではなく、世界の人々のためにもなっていきます。わたしたちの食べ方と生き方が積み重なって、多くの問題が起きているということに気づいて、行動していくべきです。小さな個人の力は、世界・宇宙の秩序につながっているということを教えてくれるのがマクロビです。マクロビの食べ方、生きかたを知って取り入れるかどうかの選択をするのはあなたです。