パスタに削りたての粉チーズ、スライストマトとモッツアレアにオリーブオイルと塩コショウした前菜、とろっととろけるチーズをからめたチーズフォンドゥ。チーズの種類の豊富さや味のバラエティーを考えると、料理の想像力がどんどんと沸いてきます。
チーズは発酵食品なので腸に元気をくれます。栄養的にみてもカルシウムやたんぱく質をたくさんとれる健康食品です。しかも美味しい。そう思ってかつてはよくチーズを食べていました。そのため、マクロビオティックではチーズをお勧めしないと聞いたときは衝撃でした。理由が分かるまでチーズはやめられなかったです。マクロビオティックで、チーズを勧めない訳は? そしてチーズの代替レシピはあるの?
目次
チーズを知ろう
チーズは生乳に乳酸菌と凝乳酵素(レンネット)という酵素を加え、固めて、熟成発酵させたものです。熟成段階で水分が抜け、寒冷地など食材が限られていた地域では貴重な保存食として重宝されてきました。熟成させないチーズもあります。フレッシュチーズと呼ばれ、カッテージチーズ、マスカルポーネ、モッツァレッラなどです。これらは水分量が多いため保存には向きません。
チーズの問題点
さて、陰陽的にチーズを見ていきましょう。チーズは乳製品の中では唯一体を温める陽性の食材です。体の熱をキープし、冬にお勧めの食材です。ところが食べ過ぎてしまうと、鼻や耳などの粘膜に影響し、体の水はけを悪くさせてしまい、花粉症などの原因になります。また肺を引き締めるため咳、気管支炎や喘息がでやすい体を作ってしまいます。
もう一つの問題は、ホルモン剤の体への影響です。現在育てられている乳牛は搾乳量を増やすためにホルモン剤が投与されています。ホルモン剤はエストロゲン値を上げ、原料となる生乳に凝縮されて入ってしまいます。子宮筋腫・子宮頚ガン・乳がんなどの婦人病はエストロゲンの過剰分泌によって発生します。エストロゲンは適量だと、乳房を発達させ母乳の出をよくし、肌や髪に潤いを与えてくれますが、少ないと抜け毛を増やし骨粗しょう症などを引き起こします。
マクロビオティックでチーズを楽しもう!
チーズを豆製品で楽しむのがマクロビ風です。日本の土地に合った「チーズ風」を楽しんでみましょう。今日はこってり、とろり、粉、発酵チーズの4種類をご紹介します。
こってり豆腐チーズ
<材料>
豆腐(1/2丁)
ニンニク(1ケ)
白練りごま(大1)
梅酢(小1/4)
白味噌・麦味噌(各小1)
<作り方>
すべての材料をフードプロセッサーにいれて混ぜる
マクロビ風粉チーズ
<材料>
アーモンドプードル(50g)
菜種油かオリーブオイル(10g)
自然塩(小1)
梅酢(大1)
白味噌(大1)
<作り方>
良く混ぜてほぐす。ペーパーにひろげて100℃で25分~。乾燥できたら出来上がり。フォークでつぶしたりフードプロセッサーで細かくする。
とろり豆乳チーズ
<材料>
豆乳(200ml)
菜種油、またはオリーブ油(小1)
天然塩(小1)
白味噌(小2)
梅酢(小1)
白玉粉(大2~3)
<作り方>
すべての材料を混ぜ、中火で数分火を通す。滑らかになったら火を止めて冷やす。
発酵豆腐チーズ
味噌の発行力を使って豆腐を発酵させた本格的チーズ!
<材料>
よく水切りした木綿豆腐(1丁)
麦味噌、白味噌などお好みの味噌(150g)
煮切りみりん(1/4カップ)
レモン(大1~)
<作り方>
①味噌とみりんを良く混ぜ合わせる。豆腐をガーゼに包む。
②大きめのタッパに①の調味料の半分を敷き詰め、豆腐を置く。残りを上からかぶせて、冷蔵庫で数日寝かせる。
③フードプロセッサーに②とレモンを入れ滑らかになるまでまぜる。お好みでコショウ。
まとめ
チーズは寒くて乾燥した地域の人々の貴重な保存食でした。体に熱をこもらせるチーズは、高温多湿の日本ではチーズ文化は育まれませんでした。また汗腺の量や腸内細菌の種類を考えても、日本人はチーズを分解するのに適さない体なのです。さらに、ホルモン剤の問題、そして安価なチーズに含まれる多量の保存料や化学物質が体に負担をかけ、さまざまな病気の原因となっています。最近ではガンとの関係も示唆されています。でも、時々乾燥した冬にチーズを少したしなむのは、食事を豊かにしてくれますね。問題は多すぎることです。最後に、チーズを中和してくれるのは、大葉、パセリ、少々のワイン。体の声をしっかり聴き、楽しみながら食のコントロールしてきましょう!