健康を気にかけている人々の間で今話題となっているマクロビオティック。通称マクロビ。
今回はマクロビという言葉は知っているけれど具体的にはよく分からない、きっちり理解しておきたいという方のために、入門編としてまずは押さえておきたい点や意外に見落とされがちな点について解説していきます。
目次
マクロビオティックとは
マクロビという言葉を聞いたことがある人の中で、多くの人がまず思い浮かべる言葉は「玄米菜食」ではないでしょうか。確かに関係の深い言葉ではありますが、マクロビを正しく実践していくにはその本質を理解しなければなりません。マクロビとは玄米や野菜を中心に摂る、肉を摂らないといった単なるポリシーではなく、古代中国に起源をもつ陰陽五行という思想に基づいて考えられた食事法のことを指すのです。
陰と陽のエネルギー
陰と陽とは、「天地」「明暗」のように地表のあらゆる事象には相対する二つの形が存在するという考え方です。地球から発せられるエネルギーを「陰」宇宙から降り注ぐエネルギーを「陽」とし、食べ物についてもこれらの影響を受けて陰と陽それぞれのエネルギーをもっているとして、分類することができます。つまり、マクロビにおいて正しい食事を摂るということは、この陰と陽のバランスを崩さないように日常的に食べるものを選んでいくということを指すのです。このことをまず頭に入れておきましょう。
マクロビの勧める食べ物
では、私たちはどのように食べるものを選んでいけばよいのでしょうか。
先ほど述べた本質を食べ物に当てはめて考えてみましょう。食べ物が育つ環境に目を向けると、そこにも相対する形が見えてきます。すなわち、寒帯と熱帯です。
赤道直下の熱帯では、砂糖や果物、バターやアイスクリームといった原料や加工品が多く作られました。これらは地球の自転による遠心力をもっとも大きく受けることからも、地球から発せられるエネルギーを多くもつ陰性の食べ物とみなすことができます。科学的には、体外に熱を出し、身体の緊張を緩和する効果があります。
一方の寒帯では、肉、魚、卵、チーズなど寒さに耐えうる高たんぱくな食物が好まれました。これらは地球の自転の中心に近いことから遠心力をさほど受けず、宇宙から降り注ぐエネルギーを多くもつ陽性の食べ物とみなすことができます。科学的には、熱を体内にこもらせ、身体を引き締める効果があります。
それでは、日本が属する温帯ではどうでしょうか。寒帯や熱帯に暮らす人々は、その環境に順応していく中でそれらの食べ物がもつエネルギーに必要性を感じ積極的に摂取してきました。その場合、陰と陽のバランスは保たれていると言えます。しかし、その中庸に位置する温帯では、陰と陽のバランスも中庸になるよう心掛けなければならないのです。加えて、先進国である日本には各地の食材が集められ自由に選ぶことができます。以上のことから、日本人は陰と陽のバランスを崩しやすく、特に注意して管理しなければならないと言えるでしょう。
まとめ
ここまでマクロビオティックの入門編として本質的な考え方を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。何か具体的な実践をする前に今回述べてきたことを頭に入れておいた上で正しい情報を手に入れ、マクロビを通して本当の意味で健康的な食生活を送っていきましょう。