マクロビオティックもローフードも、徐々に世間に広まりつつあります。
しかしこの二つの違いがよくわからない、という声もあります。有機野菜を中心とした食事を摂る、というイメージが先行してしまい、違いはそんなに無いのではないか?と思われる場合もあります。
しかしマクロビオティックとローフードは、思想が生まれた国や考え方、食べるものが全く違います。同時に得られるメリットやデメリットも異なってくる、別物なのです。
最初に生まれた国の違いから見ていくと、マクロビオティックは日本人が1928年に提唱したものであるのに対し、ローフードは1990年代から欧米で提唱されてきたものです。
欧米ではハリウッド女優がローフードを取り入れていることからも、ローフードの知名度の方が高くなっています。一方マクロビオティックはイギリスや日本、欧米以外のヨーロッパ諸国などでの知名度の方が高いのが現状です。
ここからはマクロビオティックとローフードの違いを、考え方や食べられるもの、メリットとデメリットの面から比較していきます。
目次
マクロビオティックとローフードの違い-考え方
マクロビオティックは、従来の食事に陰陽の理論を付け加え、食材や調理法のバランスを考える食事法とすることとされています。
住んでいる地域で採れている野菜を食べ、玄米や野菜・穀物・豆類を用いる事としており、地域の野菜を育て緑化活動に繋げていくという考え方です。野菜や穀物や豆類だけを摂取する人もいれば、自分でとった魚や、少量の肉を食べるという人もいます。厳密に守って実践するか、軽い範囲で実践するかは、個人の好みでもあります。
考え方も思想に近いものです。
一方でローフードは酵素を含む食べ物を多く摂取すれば、体にいい効果があるという考え方を持っています。酵素を壊さないために加工していない生の食材を、中心に摂取する食事法をすることです。
植物性の食品のみを摂取するヴィーガリズムと同じものだと思われがちですが、ローフードは生であれば、動物の肉や動物性食品を食べるという人もいます。
どちらも似ている考え型と思いがちですが、マクロビオティックでは火を通すことに対して制限がなく、ローフードでは可能であれば動物性食品をを摂取することに制限がありません。
これは自然に近い形に考え方や行動を変えていく、というマクロビオティックと、体に良い酵素を体内に取り込んでいくというローフードの大きな違いでもあるのです。
マクロビオティックとローフードの違い-食べられるもの
食べるものもある程度を除き、異なる部分が見られます。
マクロビオティックでは、玄米や雑穀等を主食とした野菜食を基本とします。
調理法は制限が無く、有機農産物や自然農法で育てられた野菜や穀物、海藻類を食べます。砂糖は使用しません。ダシを昆布や椎茸で作ります。食品のアクを取らず、あるがままの形を、根や皮も一緒に摂取して食べます。魚や肉は、厳格性を追求しない場合は少量は食べてもかまいません。
ローフードでは生野菜やフルーツを中心としています。
焼く事や揚げる事、炒める事などの高温での加熱はしません。これは食べ物が持っている酵素を、体内にそのまま取り入れるためです。漬物やドライフルーツ、オイルもローフードとされているので、非常に簡単に手に入るものが多いことも特徴です。
マクロビオティックとローフードの違い-メリットとデメリット
マクロビオティック
・体質を改善し、生活習慣予防になる
・塩分過多になりやすい
・栄養失調になる可能性がある
ローフード
・ビタミン・ミネラルをしっかりと取れる
・加熱調理をしないため、体を冷やしやすい
・加熱しないと食べられない食材は食べられない
マクロビオティックとローフードの違い-まとめ
マクロビオティックは治療の様に、決められた期間実践するのが向いており、ローフードは人生で長い間にも生活に取り入れることにも向いているという違いがあります。
どちらも度を過ぎると体に不調が出ることがありますが、自分の体と相談して実践することも、ローフードやマクロビオティックの考え方の一部でもあります。