マクロビオティックをゆるく、長く、持続可能に

体と心の健康を健康でいるために提唱されたマクロビオティックですが、動物性たんぱく質を摂らないことをすすめていることが、数々の批判もあります。今回はその問題点を現在世界で最新だとされる栄養学の論文”China Study”を参考に紐解いていきます。

目次

マクロビオティックの疑問点

本当に動物性食品を摂らないで、人間は大丈夫なのでしょうか。肉や魚に比べると豆腐や大豆で摂れるたんぱく質の量は同じ100gのものを食べたとすると少なくなります。100gあたりのたんぱく質含有量は、
動物性たんぱく質を含む食べ物
牛もも肉 21.2g、ささみ 23.0g、生ハム 24.0g 豚ロース 19.3g、ゆで卵 12.9g 卵黄 16.5g
植物性たんぱく質を含む食べ物
豆腐 6.6g 納豆 16.6g 油揚げ 18.6g
となりますが、油揚げや納豆を100gも食べるのは大変です。農林水産省は平均的成人が一日に摂取すべきたんぱく質量は男性50g、女性40gとしています。米もたんぱく質を含んでいます。野菜などからも一応はたんぱく質が摂れます。しかし明らかに植物性たんぱく質では一日の摂取量に足りません。また必須アミノ酸は動物性は完全にそろっていますが、植物性たんぱく質の方は完全ではありません。このようなところがマクロビを長く続けると栄養失調になるといわれるところです。しかし本当にこれだけのたんぱく質が必要なのでしょうか。現代人の食生活は人類の歴史から見ても明らかに食べ過ぎです。食べ過ぎもまた健康を損なう原因でもありますが、栄養失調ほど深刻には考えられていません。ここで、最新の栄養学に関する論文である”the  China Study”を見ていくと、がん・肥満・糖尿病・心臓病についての栄養学から見た調査研究が述べられており、とても興味深い結果となっています。

最新の栄養学では

the China Study によると、20年に渡り、中国の65の地域6500人を調査した今までに行われた人間の栄養に関する最も包括的な調査研究を行なった結果、動物性たんぱく質はがんの成長を促進し、人がどんな栄養を食べたかによってがんが大きくなるか小さくなるかが決まり、それに最も重要なのは食物繊維であると明確に述べられています。がんだけでなく、肥満・糖尿病・心臓病についても同様です。この研究結果では一貫して「動物性たんぱく質を食べる必要はない。食べるのをやめて、野菜を食べよう」と述べています。言い換えれば、日本の伝統的な食習慣が命に関わる病気を防いだり、がんを小さくしたりする、ということです。マクロビ食に通じるところです。

まずはプチマクロから気楽にはじめる

the China Study でも肥満は立派な病気とされています。手軽に何でも食べたい物が手に入る環境、栄養過多の美味しい物を食べることがあたかもすばらしいことであるかのようなテレビの番組、経済の成長のために病気につながる可能性をあまり表に出さず、消費を促進させようと考える企業や政府。そのような表面の情報に流されることなく、自分が食べる物は自分で選ぶ、すべてを知った上で自分で選択する、というような生き方が求められています。
とはいえ、情報も溢れる現代で、何から始めるべきか分からない人も多いでしょう。そんなときはまず、ゆるいマクロビオティックからはじめてみてはいかがでしょう。一日一食だけ玄米菜食を意識し、あとは普段通りの食事をとる。または休日のブランチにマクロビ食を取り入れるなど、マクロビを取り入れた食生活を気軽にできることから始めてみて、少しずつ理解を深めていってはいかがでしょうか。

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